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2014年2月18日 (火)

益子のひなまつり

① 益子町

 最近は雛祭りの時節になると、あちこちの市町村でひな人形の展示が話題になる。町興しの一つとして自治体や商工会などが主導して始めるのだろうが、こう多くなると普通の段飾りのひな人形だけではなかなか人は集まらないだろうと思っている時、所用があって栃木県益子町に行くことになった。

 益子町は益子焼の陶器で知られた町である。益子の名を広めたのは人間国宝であり、文化勲章も受けた現代日本を代表する一人である濱田庄司が益子に移住して多くの陶芸の作品を生み出し、河井寛次郎などと民芸運動の活躍を始めて以来である。

 現在では益子陶芸美術館・陶芸メッセ益子、濱田庄司記念益子参考館や多くの窯元、益子焼窯元共販センターなどがあり、毎年ゴールデンウイークには春の陶器市が催され、多くの人を集めている。

Img_0001 その益子町で「益子の雛めぐり」という行事をやっているという事だった。益子では普通の雛飾りの他に益子ならではの陶器で創った「陶雛」や「土雛」という素焼きの粘土で作ったユニークな人形があるというのでどんなものか楽しみだった。(写真は雛めぐりパンフレット)

Img_3101_2Img_3103_2Img_3104_2Img_3105_2Img_3106_2 平成26年2月5日に益子駅舎内にある益子町観光協会に行く。2月1日から3月3日まで益子の市街地にある87の窯元、商店、レストラン、食堂などが参加して各種のひな人形を展示するという。観光協会にも段飾りのひな人形、吊し雛、土雛がところ狭しと飾られていた。(写真は観光協会に飾られた段飾り、吊し雛4景)

Img_3107_2 期間中は「雛めぐりスタンプラリー」が開催されていて、6カ所のポイントの内3ヶ所以上廻ったら抽選で記念品が当たるというので、早速応募することにした。観光協会もポイントの一つになっている。(写真は土雛、右手にスタンプラリー用紙の一部分が見える)

Img_3108_2Img_3109_2 益子駅は下館から茂木までSL列車が走ることで知られている真岡鉄道の中心駅の一つで、関東名駅100選に選定されている。この駅舎は左右に時計台と展望台があるツインタワーがあり、時計台には大きな歯車がむき出しで廻っている斬新なデザインで、屋根は陶器の町にふさわしく瀬戸瓦で葺かれている。駅舎には赤い郵便ポストが置かれており、また中央には陶芸の町のシンボルである大きな甕が置かれるなど古い町のイメージも残しており100選にふさわしい駅である。大きな甕の前にも「土雛」が展示されていた。写真は益子駅、甕の前の土雛)

Img_3115_2Img_3116_2 観光協会を出て次のラリーポイントのあるプラチナショップに向かう。向い側に田町屋台パークがありその駐車場に車を止める。この小パークは江戸末期に作られた木彫り屋台を保管展示する施設で、益子町には他に2ヶ所同じような屋台パークがあるそうである。保管されている屋台は全面に彫刻が施されている立派なものだった。(写真は田町の屋台)

 Img_3111_2Img_3112 プラチナショップという場所にはたくさんの土雛が展示されていた。素焼きの人形に彩色をし、綺麗な端布で衣装を作り、黒いストッキングに綿を入れて髪の形を整えるそうでユニークな表情の土雛が可愛らしかった。(写真は土雛2景)

Img_3148 次に陶芸メッセに行く。ここには陶芸美術館があり、濱田庄司ゆかりの作品や益子在住の作家の作品などが展示されていてラリーポイントの一つになっている。また敷地内には旧濱田庄司邸が移築されており、濱田庄司が愛用した登り窯も復元されている。ここは益子陶芸美術館・陶芸メッセ益子という長ったらしい名称だが、どこがどう分かれているのか判然としない。ネットで調べたが判らなかった。(写真は陶芸メッセ・益子の看板)

Img_3166Img_3167 とにかく受付のある陶芸館に行き、「雛めぐり」について尋ねると陶芸館右側にあるミニギャラリーに「陶雛」が展示されており、旧濱田庄司邸で段飾りのひな人形があると説明されて早速陶雛を見に行く。陶芸館に入るには一般の入場料600円だが、「雛めぐり」会場だけなら無料とのことである。(写真は陶芸館本館の正面、ミニギャラリーのある本館左手の建物)

Img_3150Img_3151Img_3152aImg_3152bImg_3153 入口付近には段飾りや吊し雛があったがそれ以外は小振りの陶雛が沢山展示されていた。(写真は吊し雛、陶雛4景)

Img_3154Img_3155Img_3156Img_3157Img_3158a 益子の窯元の主が創ったものが多いようだったが、これこそ他で見られないユニークなものだろう。(写真は陶雛5景)

Img_3159Img_3160Img_3163Img_3161Img_3164 旧濱田庄司邸に行く。前日降った雪がまだ残っている。ここには段飾りのひな人形が何列も並んでいた。帰り路、屋敷の左側に復元された登り窯があった。(写真は旧濱田庄司邸、段飾り3景、登り窯)

  他にも多くの窯元や商店がひな人形を展示していたが、時間の都合があり、割愛して茨城県筑西市に向かった。

② 筑西市

 筑西市は茨城県西部にある下館市と付近の3つの町が平成17年に合併して新しく出来た市である。平成の大合併ではこの様な新しい名前の市が沢山出来て戸惑う事が多い。茨城県の小美玉市というのは3つの町村が合併したので、それぞれの頭文字を付けたものだが、最初は何の事だか分らなかった。合併は普通中核都市があるので、その都市の名前が良いと思うのだが、そう思わぬ人も多いらしい。しかしその度に地図と首っ引きになるのは頂けないと思うのは年を取ったせいなのだろうか。

Ataetenposter1 ともあれ、筑西市の下館に行ったのは茨城県で唯一の市立美術館である「しもだて美術館」があり、そこで美術館開設10周年記念の「与(あたえ)勇輝展」が開催されているので、それを見ようと思ったからである。(写真は与勇輝展のチラシ)

 「しもだて美術館」には同じ茨城県に住んで居ながらまだ行った事がなかった。下館には陶 芸で最初に文化勲章を受章した板谷波山と洋画で同じく文化勲章を受章した森田茂の生地であり、美術館ではそれらの郷土ゆかりの作家の作品の収集展示を中心に運営されている。

 「与勇輝」は表情豊かな見る人を優しい空気で包み込むような人形を作る作家で、河口湖 畔に「河口湖ミューズ館・与勇輝館」という常設展示館がある。平成9年にそこで「いのちのかたちの棲むところ」という題の、森の精霊ニングル展を見て強い印象を受け、「与勇輝」の名前と作品を知った。

Img_3182 しもだて美術館は筑西市のほぼ中心の「アルテリオしもだて地区交流センター」の3階にある。「アルテリオしもだて」に入ると、1階の交流センターロビーで「筑西雛祭りひなめぐり」というひな人形の展示が行われていた。ここばかりではなく、下館駅の北・南周辺の多くの商店や飲食店などがそれぞれひな人形を展示しており、立ち寄れば何らかのサービスがあるという。(写真は しもだて美術館のあるアルテリオしもだて地区交流センター)

Img_3178Img_3179Img_3180Img_3181 交流センターロビーには断狩をはじめいろいろなひな人形が展示してあった。その中で、目を引いた作品を載せる。

(写真はロビーのひな人形4景)

Img_3174Img_3175a ロビーの一画には下館の祭のときに繰り出す山車と大人用、子供用の神輿が展示してあった。(写真は山車、神輿)

Img_0002aImg_0002bImg_0002c 3階の美術館に行く。「郷愁の譜 与勇輝展」という題で、初期から現在までの代表作100体が展示されている。与勇輝の作品は「布による彫刻」と称され、創作人形を芸術の域にまで高め、日本ばかりではなくニューヨーク、パリ、サンパウロなどで個展を開催しているということである。以前見た時より大分バラエティが豊富になっているように感じた。ホームページ「www.musekan.net/」で主要な作品が見られる。(写真はチラシに掲載された人形の一部3景)

Img_3184Img_3183a 「アルテリオしもだて」から数分の距離で板谷波山記念館があり、美術館の入場券で見られるようになっている。ここは陶芸家として初めて文化勲章を受章した板谷波山の足跡を伝える記念館として生家敷地内に作られたもので、平成7年に生家、庭園、工房、展示館などを整備して記念公園として公開されている。
 ここでも生家の部屋にひな人形が飾ってあり、ガラス戸越しに見られるようになっていた。(写真は板谷波山記念館入口にある波山の像、屋根付き段飾りの一部)

(この項終り)

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注)  ブログ「奥の細道漫遊紀行」のバックナンバーは、ホームページ「イバイチの旅のつれづれ」(http://www.ibaichi.com/)に分野別、方面別に整理してありますので、そちらもご覧ください。

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